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漫画のススメ

 子どもたちにとって読書は面倒なものかもしれません。ただ読め読めといっても何を読んでいいのかわからないというかもしれません。

 私のお勧めは、高校の時に友達を亡くした時期に出会い何度も何度も読み返した「モリー先生との火曜日」。本当に生きる意味や幸せ、見失ってはいけないものの大切さを教えてくれた本でした。今も時々読み返すほどです。

 

小説ものでいうと乙一さんの小説がとても描写が綺麗で、どんでん返しもあり大好きです。ブラックな作品を書くことも知られていますが、切なさの達人といわれ、盲目の若い女性の部屋へ逃亡してきた殺人容疑者との不思議距離感を描いた「暗いところで待ち合わせ」もおすすめです。

 

  また、僕は活字が苦手な人は漫画でもよいと思っています。実際ぼくも大量に漫画は読みますし、持っています。漫画の中には、まぁどうでもいいようなものもあれば非常によくできていて勉強になるものがたくさんあります。

 

最近では化学を扱って人気を博している「Dr.Stone」

競技かるたを描いた「ちはやふる」

菌が見える少年を主人公とした「もやしもん」

 など、そのまま勉強に使える漫画もたくさんあります。

 

漫画も小説と同じくいろいろな知識と世界を与えてくれるものです。

ほかにも「銀の匙」「ヒストリエ」「宇宙兄弟」「ブラックジャックによろしく」「信長協奏曲」「太陽の黙示録」「おおきくふりかぶって」「あひるの空」「ARIA」などなど枚挙に暇がありません。要はなんでもいいんじゃないかというくらいです。ただ、小説に比べるとコストパフォーマンスは悪いので気にされないなら中古をおすすめします。中古でも内容の価値が変わらないのも読書の良い点です。

 

 

逆に良くないと思うものはなんかありきたりかもしれませんがネットの記事や小説です。

おすすめしない理由を列挙します

①基本的にネットは一目みてインパクトを与えることが目的であるため過剰な演出が過ぎることで現実と離れること。またそれに付随して、断定的で、嘘情報も多いこと

②出版物に比べると校正・校閲がなく日本語として稚拙であること。

昔あの有名な巨大掲示板2chの製作者のひろゆき氏が「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」こういいました。

 当時ネット自体がまだ珍しい時代でした。現実の世界の中にふとインターネットが入ってきた時代です。ですので、うそをうそであるのを見抜くのはある程度現実世界をしっかりと歩いていればわかることでした(それでも純真無垢な人は騙されていましたが)

  

しかし今の子供たちは生まれたときからネットがあるのが当たり前でした。ですから、うそをうそと見抜くのが難しいのです。そして、社会経験に乏しい彼らは騙されがちです。嘘の情報を簡単に信じてしまいやすく、洗脳もされやすく危険です。

 

 言うまでもなくインターネットは有用です。

しかしわたしが危惧しているのは、「情報に支配されてはならない」ということです。そのためにはやはりネットを触らせないというわけにはいきません。むしろ、保護者・学校等が目が届くうちにしっかりとネットを利用し、その怖さを知り使い方を知るべきです。一人暮らしになってから、詐欺に巻き込まれてしまうのでは取り返しがつきません。

 

 

情報が万能かであるように感じる昨今ですが情報が正しいとは限りません。

 

養老孟子の著書「バカの壁」の中で 

『・・・・みんな大量の情報にあふれ、変化する情報、それを必死で追い求めている。まるでそこに人生の成功があるかのように追い求める。しかしそれは間違いである。情報は変化しないのだ~変化しているのはあなた(人)なのだ。

 きれいな夕焼けを見ても「きれいだ」としか幼少期感じなかった青年が、今同じきれいな夕日をみて泣いてしまうのは、その青年が成長し、感受性を高め、また人生を歩んできたから感じる涙なのである。つまり、情報(きれいな夕日)は変わらない。変わるの人なのだ。・・・・』というようなことが書いてあったと思います。

 

逆転の発想というのでしょうか、非常に心を打たれた記憶があります。

情報はあふれている、しかし情報は変わらない。その情報をいかに感じ取り、いかに活用し応用し、自分の人生を豊かにするものに変える力、それを今学生たちは鍛えべきだとおもうわけです。情報を追い求めることよりも、自分自身の感受性、応用力、読み解く力、想像する力を育てる事こそが今必要です。