モチベーションの研究より

科学雑誌ニュートンに「やる気の心理学」と題した記事が掲載されていました。

 内容をかいつまんで紹介すると、動機付けには内発的動機づけと外発的動機づけがある。内発的動機づけはある行動が楽しい、面白いといった理由で自発的に取り組むことで、行動そのものが動機づけとなる。外発的動機づけとはいわゆるアメ(ほめること・報酬)とムチ(叱ること・罰)による外部からの動機づけである。

 ムチでは、「よくない行動はへるが、良い行動が増えるわけではない」そして「慣れてしまうと一時的な効果しかなく意味がなくなる」

 アメでは、「ほめるべきことがモチベーションを高めるが、ほめる言葉自体が目的となったり、簡単にほめられることがかえって馬鹿にされているように感じる。ただやみくもにほめるのではなく上手なほめ方が大切である」

 また、「報酬」を与えることで、一時的にモチベーションが高まることがあるが、その「報酬」がなくなったときに当初よりモチベーションが下がる現象がある。

 いずれにせよ、外発的動機づけは多かれ少なかれ「コントロールされているという不快感を伴うものであり、」「課題となる行動そのものに喜びを感じさせれる効果はないと考えれている」と結論づけられています。

 

どうしても勉強しない子がいます。どうにか勉強させたい。かといって叱るのはよくない。

しかしそこで「今度のテストで平均90点以上取ったらスマホを買ってあげるよ」「95点以上とったら1000円あげるよ」といってしまうのはやはりよい方法ではないということです。一時的に頑張るかもしれませんが、報酬をもらうことが目的となるからです。その目的のために不正をしたりカンニングしたりといった方向へ引っ張られてしまっては意味がないのです。

 

では、内発的動機づけによりモチベーションを維持するために必要不可欠な要素として以下が紹介されていました

①達成体験・・・自らの成功体験 

②代理体験・・・他者の成功体験

③言語的説得・・・他者からの励まし(自己暗示も含む)

 

学習に置き換えれば

①40点しか取れなかったけど80点を達成した!

②〇〇君がいい点数を取った。すごく褒められていた!

③「今回点数が伸びなかったけれど、〇〇の分野はよくできてたよね!勉強のやり方や努力はあってたんだよ!次は頑張ろう!」

といったところでしょうか。

特に②代理体験はシグマ塾で行っているみんなが一体となるグループ学習で大きな成果を上げているのではと思います。

 

 一人ひとりが自分自身をほめれるような目標を達成するサポートをし、集団として成功体験を積み、一人ひとりのその努力をしっかりと見極め、アドバイスすること、上手にほめること。

 当たり前なことですがしっかりと寄り添いながら、「いつか夢を成し遂げたい」というその想いが目的となる内発的動機づけが子どもの心で大きくなるお手伝いをしたいなと思います。